「一瞬水に落としたけど、すぐ拾い上げたから大丈夫」
「防水スマホだから、これくらい平気だよね?」
そう思って、そのまま使い続けていませんか?実は、iPhoneの修理相談で最も恐ろしいのが「一瞬の水没」を甘く見てしまった後の故障です。
今回は、水没した直後のiPhoneの内部で何が起きているのか、そして「やってはいけないNG行動」について、修理店の視点から詳しく解説します。
- 「一瞬」でも水没は水没。内部に潜む水の「道」
iPhoneには耐水性能が備わっていますが、これはあくまで「新品状態での理想的な条件下」での話です。長く使っていると、画面を固定している粘着シールの劣化や、目に見えない本体の歪みにより、耐水性能は少しずつ低下しています。
そのため、たとえ一瞬水に触れただけでも、以下のような隙間から水は容易に侵入します。
・充電コネクタ(Lightning/USB-C端子)
・スピーカーの網目
・SIMカードのスロット
・マイクの穴
一度内部に入った水は、精密な回路が密集する基板へと「道」を作ります。表面が乾いていても、内部の水分が完全に蒸発するには数日以上かかることが多く、その間ずっと内部はダメージを受け続けているのです。
- 水没の真の恐怖は「腐食(サビ)」のスピード
水没してすぐは問題なく動いているように見えても、数時間後、あるいは数日後に突然電源が入らなくなることがあります。その正体は「腐食」です。
iPhoneの内部には、常に微弱な電流が流れています。そこに水分が付着すると「電気分解」が起き、金属パーツが急激に錆び始めます。
修理スタッフのつぶやき:
分解した際に、わずか数時間前に水没した端末でも、基板が青白く腐食(緑青)しているのを何度も見てきました。水は基板にとって、まさに「毒」なのです。
特に海水やプールの水、入浴剤の入ったお風呂、あるいはジュースなどは、真水よりも腐食を早める成分が含まれているため、より一層の注意が必要です。
- 【絶対NG!】水没したときにやってはいけない3つのこと
良かれと思ってやった行動が、iPhoneに「トドメ」を刺してしまうことがあります。
① 電源を入れる・充電する(最も危険!)
内部に水がある状態で電気を流すと、基板がショートして一瞬で再起不能になります。「動くかな?」と確認したい気持ちはわかりますが、絶対に充電器は挿さないでください。
② 本体を振る
水分を出そうとして振ると、内部に入った水がさらに奥へと広がり、無事だったパーツまで水浸しにしてしまいます。
③ ドライヤーで乾かす
熱風によって液晶パネルを傷めたり、内部のゴムパッキンを溶かして変形させたりする恐れがあります。また、風圧で水を押し込んでしまうリスクもあります。
- もし水没してしまったら?正しい応急処置
・すぐに電源を切る: 内部ショートを防ぐため、真っ先にシャットダウンします。
・ケースやアクセサリを外す: 水分を溜め込まないようにします。
・水分を拭き取る: タオルなどで表面や端子の水分を優しく吸い取ります。
・放置せず、すぐに修理店へ: 「乾けば直る」は大きな間違いです。
- 修理店なら「データそのまま」で救える可能性があります
メーカー修理では、水没反応があるだけで「本体交換(データは消失)」となることがほとんどです。しかし、当店では**「データの救出」を最優先**に考えた修理を行います。
・内部洗浄と乾燥: 特殊な洗浄液と超音波洗浄機を使い、基板に付着した不純物や腐食を徹底的に取り除きます。
・パーツ交換: 水に濡れて壊れてしまったディスプレイやバッテリーだけをピンポイントで交換します。
・基板修理: ショートしてしまった回路を修復し、再び起動できる状態を目指します。
「一瞬だったから」と安心せず、大切な写真や連絡先を守るために、異変を感じる前にプロのチェックを受けてください。



